よくある願書の失敗例と改善ポイント

小学校受験や幼稚園受験の願書作成では、多くの保護者の皆様が同じような失敗に陥りがちです。ここでは、実際によく見られる失敗パターンとその改善方法を具体例とともにご紹介します。

失敗例1:抽象的な表現の羅列

失敗例

息子は大変優れた性格で、何事にも積極的に取り組み、とても頑張り屋です。周囲からの信頼も厚く、友達とも仲良く遊んでいます。

問題点

「優れた」「積極的」「頑張り屋」などの抽象的な言葉だけでは、お子さまの具体的な姿が伝わりません。また、主観的な評価が多く、客観性に欠けています。

改善例

息子の長所は「継続力」です。昨年4月、逆上がりができずに泣いた際、「毎日3回練習する」と決め、1か月続けた結果、成功しました。以後も目標を小分けにして取り組む姿勢が続いています。

改善ポイント

具体的な時期、回数、期間を示し、事実ベースで書くことで説得力が増します。「継続力」という一つの特性に絞り込むことも効果的です。

失敗例2:冗長で読みにくい文章

失敗例

私たち家族は、子どもの成長にとって大切なことは何かということを常日頃から考えておりまして、特に挨拶や礼儀作法といったようなことについては、しっかりと身につけさせることが重要であると考え、日々の生活の中で実践するように心がけております。

問題点

1文が長すぎて(90字超)、読み手の負担が大きくなります。また、「〜ということ」「〜といったような」など冗長な表現が多く、要点が不明瞭です。

改善例

家庭では挨拶と礼儀作法を重視しています。朝の「おはよう」、感謝の「ありがとう」、謝罪の「ごめんなさい」を、親子ともに必ず声に出すことを習慣にしています。

改善ポイント

1文を40字前後に分割し、具体例を3つ挙げることで読みやすく、かつ実践的な印象を与えます。

失敗例3:設問意図とのズレ

設問:「お子さまの長所について具体的に教えてください」

失敗例

貴校の自由な校風と伝統ある教育方針に深く共感し、ぜひ息子を通わせたいと考えております。家庭では読書を大切にしており、毎晩絵本の読み聞かせを行っています。

問題点

「子どもの長所」を聞かれているのに、志望動機と家庭の方針について答えています。設問の意図を正確に把握できていません。

改善例

息子の長所は「好奇心の強さ」です。図鑑で見た昆虫を実際に探しに行き、観察して絵に描くという流れを自ら繰り返しています。疑問を持ったことを調べ、実際に確かめる姿勢が身についています。

改善ポイント

設問で求められている「子どもの長所」に焦点を絞り、具体的な行動パターンを示します。

失敗例4:ネガティブな表現の多用

失敗例

娘は人見知りが激しく、初めての場所では緊張してしまいます。また、できないことがあると すぐに諦めてしまう傾向があります。これらの課題を克服するため、貴校での教育を受けさせたいと考えています。

問題点

短所や課題ばかりを強調すると、マイナスの印象が強くなります。また、「学校に課題解決を任せる」という受け身の姿勢が伝わってしまいます。

改善例

娘は慎重に物事を観察する性格です。新しい環境では時間をかけて状況を把握してから行動します。最近は公園で初めて会う子にも自分から「一緒に遊ぼう」と声をかけられるようになりました。

改善ポイント

「人見知り」を「慎重」と言い換え、成長の過程を示すことでポジティブな印象に変換します。

失敗例5:学校の方針と家庭の価値観のミスマッチ

志望校:伝統を重んじる規律重視の私立小学校

失敗例

家庭では子どもの自由な発想を何より大切にし、ルールにとらわれない創造性を育んでいます。息子には既成概念を打ち破る革新的な人材になってほしいと考えています。

問題点

規律重視の学校に対して「ルールにとらわれない」という価値観を示すと、学校との相性が疑問視されます。

改善例

家庭では基本的な生活習慣と礼儀を重視しています。挨拶、食事のマナー、時間を守ることを日々実践し、その上で息子の個性を伸ばすことを心がけています。貴校の伝統ある教育方針のもとで、さらに成長できると確信しています。

改善ポイント

学校の教育方針を事前に理解し、それと調和する家庭の価値観を示すことが重要です。

失敗例6:情報の羅列のみで構成がない

失敗例

娘は絵を描くのが好きです。ピアノも習っています。お友達と遊ぶのも好きです。公園で遊んだり、絵本を読んだりします。優しい性格です。

問題点

事実を並べているだけで、全体の流れや論理的なつながりがありません。読み手が要点を掴みにくい構成です。

改善例

娘の長所は「表現力の豊かさ」です(結論)。日常の出来事を絵や言葉で表現することが好きで、ピアノでは感情を込めた演奏を心がけています(理由・具体例)。友人に自分の気持ちを伝える力も育っており、思いやりのある関係を築いています(まとめ)。

改善ポイント

「結論→理由→具体例→まとめ」の構成を意識し、一つのテーマで統一することで説得力が増します。

失敗を防ぐチェックリスト

  • 抽象的な表現ではなく、具体的な行動・回数・期間を示している
  • 1文が40〜50字程度で読みやすい長さになっている
  • 設問の意図を正確に理解し、求められている内容に答えている
  • ポジティブな表現を中心に、成長の過程を示している
  • 志望校の教育方針を理解し、家庭の価値観との整合性がある
  • 「結論→理由→具体例→まとめ」の論理的な構成になっている
  • 主語と述語が明確で、冗長な表現を避けている
  • 他校の批判や過度な自己PRを避けている
  • 第三者(家族や信頼できる人)に読んでもらい、客観的な意見を得ている

AI添削の活用

これらの失敗例を避けるために、AI添削ツールを活用することも一つの方法です。特に、文章の構成チェック、冗長表現の削除、具体性の向上などの観点で客観的なアドバイスを受けることができます。ただし、最終的な判断は必ずご自身で行い、ご家庭らしさを大切にしてください。

AI添削で文章をチェックする

失敗例に当てはまっていないか、AIが客観的にチェックします。

願書添削ツールを使う
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