願書のNG例8選|Before/Afterで学ぶ改善法【小学校受験】

お受験ヘルパー編集部公開:2025年1月15日更新:2026年3月24日

小学校受験や幼稚園受験の願書作成では、多くの保護者の皆様が同じような失敗に陥りがちです。ここでは、実際によく見られる8つの失敗パターンとその改善方法を具体的なBefore/Afterとともにご紹介します。提出前のセルフチェックにぜひお役立てください。

書類作成イメージ
願書作成で陥りがちな失敗パターンを事前に把握しましょう

失敗例1:抽象的な表現の羅列

失敗例

息子は大変優れた性格で、何事にも積極的に取り組み、とても頑張り屋です。周囲からの信頼も厚く、友達とも仲良く遊んでいます。

問題点

「優れた」「積極的」「頑張り屋」などの抽象的な言葉だけでは、お子さまの具体的な姿が伝わりません。また、主観的な評価が多く、客観性に欠けています。面接官は何百もの願書を読みますので、このような表現では他のご家庭との差別化ができません。

改善例

息子の長所は「継続力」です。昨年4月、逆上がりができずに泣いた際、「毎日3回練習する」と決め、1か月続けた結果、成功しました。以後も目標を小分けにして取り組む姿勢が続いています。

改善ポイント

具体的な時期、回数、期間を示し、事実ベースで書くことで説得力が増します。「継続力」という一つの特性に絞り込むことも効果的です。

失敗例2:冗長で読みにくい文章

失敗例

私たち家族は、子どもの成長にとって大切なことは何かということを常日頃から考えておりまして、特に挨拶や礼儀作法といったようなことについては、しっかりと身につけさせることが重要であると考え、日々の生活の中で実践するように心がけております。

問題点

1文が長すぎて(90字超)、読み手の負担が大きくなります。また、「〜ということ」「〜といったような」など冗長な表現が多く、要点が不明瞭です。

改善例

家庭では挨拶と礼儀作法を重視しています。朝の「おはよう」、感謝の「ありがとう」、謝罪の「ごめんなさい」を、親子ともに必ず声に出すことを習慣にしています。

改善ポイント

1文を40字前後に分割し、具体例を3つ挙げることで読みやすく、かつ実践的な印象を与えます。

失敗例3:設問意図とのズレ

設問:「お子さまの長所について具体的に教えてください」

失敗例

貴校の自由な校風と伝統ある教育方針に深く共感し、ぜひ息子を通わせたいと考えております。家庭では読書を大切にしており、毎晩絵本の読み聞かせを行っています。

問題点

「子どもの長所」を聞かれているのに、志望動機と家庭の方針について答えています。設問の意図を正確に把握できていません。

改善例

息子の長所は「好奇心の強さ」です。図鑑で見た昆虫を実際に探しに行き、観察して絵に描くという流れを自ら繰り返しています。疑問を持ったことを調べ、実際に確かめる姿勢が身についています。

改善ポイント

設問で求められている「子どもの長所」に焦点を絞り、具体的な行動パターンを示します。

失敗例4:ネガティブな表現の多用

失敗例

娘は人見知りが激しく、初めての場所では緊張してしまいます。また、できないことがあるとすぐに諦めてしまう傾向があります。これらの課題を克服するため、貴校での教育を受けさせたいと考えています。

問題点

短所や課題ばかりを強調すると、マイナスの印象が強くなります。また、「学校に課題解決を任せる」という受け身の姿勢が伝わってしまいます。

改善例

娘は慎重に物事を観察する性格です。新しい環境では時間をかけて状況を把握してから行動します。最近は公園で初めて会う子にも自分から「一緒に遊ぼう」と声をかけられるようになりました。

改善ポイント

「人見知り」を「慎重」と言い換え、成長の過程を示すことでポジティブな印象に変換します。

失敗例5:学校の方針と家庭の価値観のミスマッチ

志望校:伝統を重んじる規律重視の私立小学校

失敗例

家庭では子どもの自由な発想を何より大切にし、ルールにとらわれない創造性を育んでいます。息子には既成概念を打ち破る革新的な人材になってほしいと考えています。

問題点

規律重視の学校に対して「ルールにとらわれない」という価値観を示すと、学校との相性が疑問視されます。

改善例

家庭では基本的な生活習慣と礼儀を重視しています。挨拶、食事のマナー、時間を守ることを日々実践し、その上で息子の個性を伸ばすことを心がけています。貴校の伝統ある教育方針のもとで、さらに成長できると確信しています。

改善ポイント

学校の教育方針を事前に理解し、それと調和する家庭の価値観を示すことが重要です。

失敗例6:情報の羅列のみで構成がない

失敗例

娘は絵を描くのが好きです。ピアノも習っています。お友達と遊ぶのも好きです。公園で遊んだり、絵本を読んだりします。優しい性格です。

問題点

事実を並べているだけで、全体の流れや論理的なつながりがありません。読み手が要点を掴みにくい構成です。

改善例

娘の長所は「表現力の豊かさ」です(結論)。日常の出来事を絵や言葉で表現することが好きで、ピアノでは感情を込めた演奏を心がけています(理由・具体例)。友人に自分の気持ちを伝える力も育っており、思いやりのある関係を築いています(まとめ)。

改善ポイント

「結論→理由→具体例→まとめ」の構成を意識し、一つのテーマで統一することで説得力が増します。

失敗例7:情報の詰め込みすぎ

失敗例

息子は運動が得意で、サッカー教室ではチームのキャプテンを務め、水泳では50mを泳げるようになり、体操教室でもバク転ができるようになりました。また、学習面でも算数が得意で、漢字検定にも挑戦し、英語教室にも通っています。さらにピアノも習っており、発表会では堂々と演奏しました。友人関係も良好で、近所の年下の子の面倒もよく見ています。

問題点

伝えたいことが多すぎて焦点がぼやけています。サッカー、水泳、体操、算数、漢字、英語、ピアノ、友人関係と8つもの話題が詰め込まれており、結局どれが本当の長所なのか分かりません。限られた文字数の中で「あれもこれも」と書くと、かえって印象に残りにくくなります。

改善例

息子の長所は「責任感の強さ」です。サッカー教室でキャプテンに選ばれた際、「チーム全員がシュートを決められるように」と自主的に練習メニューを考え、休憩時間に苦手な子と一緒に練習する姿が見られました。コーチからも「周りを見て行動できる」と評価いただいています。

改善ポイント

長所は1つ、多くても2つに絞りましょう。一つのエピソードを深く掘り下げることで、お子さまの人柄が具体的に伝わります。「広く浅く」より「狭く深く」が願書の鉄則です。

失敗例8:学校の教育方針をただ褒めるだけ

失敗例

貴校の伝統ある教育方針に深く共感し、素晴らしい教育環境のもとで息子を学ばせたいと考えております。貴校の「知・徳・体」のバランスのとれた教育は大変魅力的であり、卒業生の皆様のご活躍にも感銘を受けております。

問題点

「共感」「素晴らしい」「魅力的」「感銘」と褒辞を並べているだけで、具体的に何に共感し、なぜその学校でなければならないのかが伝わりません。このような文章は、学校名を入れ替えてもそのまま使えてしまう「テンプレート型」の典型です。面接官はこのパターンを何百通も目にしています。

改善例

貴校が重視される「自ら考え行動する力」に共感しております。家庭でも、週末の買い物では息子に予算と献立を任せ、自分で考えて選ぶ経験を積ませています。先日は「旬の野菜は安いから、季節の料理にしよう」と提案してくれました。貴校の探究型学習を通じて、この「考える習慣」をさらに深めていただけると考えております。

改善ポイント

学校の方針を褒めるだけでなく、「その方針の何に」「なぜ」共感するのかを明確にしましょう。さらに、家庭で実際に取り組んでいることを具体的に示すことで、言葉だけでない本気度が伝わります。

学校タイプ別に求められるトーン

志望校によって、願書で求められるトーンや強調すべきポイントは大きく異なります。学校の教育理念を深く理解し、それに合った表現を選ぶことが大切です。以下の表を参考に、志望校のタイプに合わせた願書作成を心がけましょう。

学校タイプ代表的な学校求められるトーン・キーワード
伝統校学習院、雙葉 等礼節・規律・家庭の安定感。伝統を尊重する姿勢、品格ある言葉遣い、家族の絆や安定した家庭環境を丁寧に伝える
自由教育系和光、自由学園 等主体性・探究心・個性。子ども自身の興味関心を尊重する家庭方針、自ら考え行動するエピソード、多様な価値観への理解
カトリック系暁星、白百合 等奉仕精神・感謝・思いやり。他者への配慮、感謝の心を育む家庭教育、ボランティア活動や地域との関わり
国立校筑波、お茶の水 等研究協力への理解・教育への関心。研究授業や実験的な取り組みへの協力姿勢、教育全般に対する高い関心と理解

注意

上記はあくまで一般的な傾向です。同じタイプの学校でも個々に特色がありますので、必ず志望校の説明会に参加し、学校案内やホームページを熟読した上で、その学校固有の教育方針に合わせた表現を心がけてください。

願書添削で重視される7つのチェックポイント

願書の添削では、以下の7つの観点から文章が評価されます。提出前にこれらのポイントをセルフチェックしてみましょう。

チェックリストイメージ
提出前に必ず確認したい7つのチェックポイント

1. 具体性:エピソードに「数字」と「固有名詞」があるか

「毎日練習しています」ではなく「毎朝6時半から15分間、縄跳びを練習しています」のように、時期・頻度・期間・場所などの具体的な情報が含まれているかを確認します。数字が入ることで、読み手はお子さまの日常を鮮明にイメージできるようになります。

2. 一貫性:家庭の教育方針と志望理由がつながっているか

「家庭の方針」「子どもの長所」「志望理由」の3つが一本の線でつながっている必要があります。例えば、家庭で「自主性」を重視しているなら、子どもの長所にも自主的な行動のエピソードがあり、志望理由にも自主性を育む教育方針への共感が書かれている、という流れが理想です。矛盾があると信頼性が大きく損なわれます。

3. 独自性:そのご家庭ならではの表現があるか

テンプレートやマニュアル本の文例をそのまま使った文章は、すぐに見抜かれます。ご家庭だけのエピソード、お子さまならではの言葉や行動を盛り込むことで、オリジナリティが生まれます。「この家庭の話を面接でもっと聞きたい」と思わせることが目標です。

4. 読みやすさ:1文の長さと段落構成は適切か

1文は40〜50字程度が理想です。60字を超える文は原則として分割しましょう。また、「結論→理由→具体例→まとめ」の論理構成が明確かどうか、段落の切れ目は適切かどうかも重要です。音読してみて、つまずかずに読めるかをチェックしてください。

5. トーン:志望校のタイプに合った言葉遣いか

伝統校にはフォーマルで格調高い文体、自由教育系にはのびやかで主体性を感じる文体など、学校タイプに応じた適切なトーンが求められます。ただし、無理に背伸びした表現は不自然さにつながりますので、ご家庭の言葉で誠実に書くことが大前提です。

6. バランス:子どもの姿と親の関わりの配分は適切か

願書はお子さまの紹介が主役ですが、親の関わり方も重要な評価ポイントです。子どものエピソードが7割、親の関わりや家庭方針が3割程度のバランスが目安です。親の話ばかりになったり、逆に子どもの話だけで家庭の様子が見えなかったりすると、評価が下がる傾向があります。

7. 誤字脱字・敬語の正確性

基本的なことですが、誤字脱字は「注意力のなさ」と受け取られます。特に学校名、校長先生のお名前、教育方針に関するキーワードの間違いは致命的です。また、「おっしゃる」「いらっしゃる」などの敬語の誤用も見られがちです。必ず複数回の見直しと、第三者による確認を行いましょう。

失敗を防ぐチェックリスト

  • 抽象的な表現ではなく、具体的な行動・回数・期間を示している
  • 1文が40〜50字程度で読みやすい長さになっている
  • 設問の意図を正確に理解し、求められている内容に答えている
  • ポジティブな表現を中心に、成長の過程を示している
  • 志望校の教育方針を理解し、家庭の価値観との整合性がある
  • 「結論→理由→具体例→まとめ」の論理的な構成になっている
  • 長所は1〜2つに絞り、深く掘り下げている
  • 志望理由が褒辞だけでなく、家庭での具体的な実践と結びついている
  • 主語と述語が明確で、冗長な表現を避けている
  • 他校の批判や過度な自己PRを避けている
  • 志望校のタイプに合ったトーンで書かれている
  • 誤字脱字・敬語の誤用がないか複数回チェックしている
  • 第三者(家族や信頼できる人)に読んでもらい、客観的な意見を得ている

AI添削の活用

これらの失敗例を避けるために、AI添削ツールを活用することも一つの方法です。特に、文章の構成チェック、冗長表現の削除、具体性の向上などの観点で客観的なアドバイスを受けることができます。上記の8つの失敗パターンに当てはまっていないか、7つのチェックポイントをクリアしているかを効率的に確認できます。ただし、最終的な判断は必ずご自身で行い、ご家庭らしさを大切にしてください。

AI添削で文章をチェックする

8つの失敗パターンに当てはまっていないか、AIが客観的にチェックします。

願書添削ツールを使う

本記事はお受験ヘルパー編集部が、各学校の公式情報・専門書籍・募集要項をもとに制作したものです。 情報は定期的に見直していますが、最新の募集要項は必ず各校の公式サイトでご確認ください。 内容の誤りや古くなった情報についてのご連絡をお待ちしています。

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